当院では、脊椎・脊髄症例を対象に、札幌医科大学病院と連携して、専門外来による診療を行っております。
脊椎・脊髄に由来する症状(手や足のしびれ、腰の痛み、長時間歩けない 等)に対し、薬物療法をはじめ、手術加療や神経根ブロック等を実施します。気になる症状がある場合は、一度脊椎専門医による外来を受診されることをお勧めします。
毎週木曜日 午前・午後
※休診情報はHPのお知らせでご確認できます。
脊椎は、椎骨という骨が積み木のように重なることで構成されています。
頭部から臀部に向かって順番に、「頚椎」「胸椎」「腰椎」「仙骨」「尾骨」といいます。
頚椎は第1頚椎(環骨)から第7頚椎までの7個、胸椎は第1胸椎から第12胸椎までの12個、腰椎は第1腰椎から第5腰椎までの5個の椎骨から構成されて、最後に仙骨と尾骨が繋がっています。
直立した状態で脊椎を横からみると、ゆるやかなS字状のカーブ(生理的湾曲)を示しております。
また脊椎はトンネルのような構造をしており、この中を中枢神経である硬膜管というチューブ状のものが通り、その中に脊髄と馬尾が通っています。この脊髄から末梢神経が分かれて全身に分布しています。
椎骨は、前方(腹部側)の「椎体」と、後方(背部側)の複雑な形を下「椎弓」から構成されています。椎体と椎弓で囲まれた空間を椎孔(脊柱管)といいますが、縦に繋がったトンネル状になっていて、脊髄の通り道になっています。
椎骨と椎骨の間には、「椎間板」と「椎間関節」という2種類の関節があります。椎間板は衝撃を和らげる役割を果たしており、加わる力の約80%を支えていると考えられています。
椎間板には、「髄核」(ずいかく)と呼ばれる柔らかいゲル状の組織と、「線維輪」と呼ばれる強固な線維状の組織が挟まれており、これがクッションの働きをして衝撃を吸収しています。
線維輪がほころびて、中の髄核が飛び出してきたものが「椎間板ヘルニア」です。
また、椎骨はそれだけではぐらぐらで、私たちは身体を支えることができません。靱帯と呼ばれる結合組織によって椎体どうしが互いに連結されることで、その機能を維持することができています。
◎脊椎のはたらき
①体を支える柱としての役割
②体を動かす機能
③肋骨と組み合わさって内臓を守る働き
④脊髄などの重要な神経を保護する働き
脊髄は神経であり、脳から発せられる指令を末梢に伝える、逆に末梢からの情報を脳に伝えるのが役割です。椎体と椎弓で囲まれた空間を椎孔(脊柱管)を通っており、脊髄が障害を受けると、運動機能や知覚に大きな影響を及ぼします。
脊髄は部位により頚髄、胸髄、腰髄、仙髄に分けられ、頚髄から8対、胸髄から12対、腰髄から5対、仙髄から5対の脊髄神経が出ています。
脊髄は頚椎から第12胸椎~第2腰椎まであり、その先は馬尾神経となります。脊髄から枝分かれした神経は神経根と呼ばれ、神経根は椎間孔を通って、体の末梢へ枝分かれします。
脊髄は外側から、丈夫な硬膜(こうまく)、薄くて半透明なくも膜、そして軟膜と呼ばれる3層の膜で包まれています。くも膜の内側は、脳脊髄液で満たされています。
・頚椎症性脊髄症
・頚椎椎間板ヘルニア
・頚椎後縦靭帯骨化症
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・変性すべり症
・分離すべり症
受診時に、神経学的所見の診察や各種画像検査(X線撮影、MRI検査)を実施し、正確な病態を把握します。
その結果から、投薬やリハビリ等の保存療法を行い、それらの効果が十分ではない場合や患者様がご希望された場合に手術加療の適応となります。
当院での手術では、顕微鏡を使用した除圧術や固定術を行っております。